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由美は恋愛をしていたかった。
会えないのは仕方ない。
だが、会えない間には、好きだよとか寂しくさせてごめんね、
と言って欲しかった。
最初の頃は言ってくれていたのに。
信行は、会えなくなるとメールすらくれなくなる。
由美がどうしているかとか、何をしているのかとか、気にすることが
ないのだとわかった。
会っていない時に由美を想うことがない。
好きじゃないんだ。。。
信行の態度や言葉から、愛されてはいない、と言う事実を
受け入れるまでに今までかかってしまった。
頭では、もうずっと前にわかっていたのだけど、会うと
こんなに愛されてるじゃん、と錯覚してしまう。
淋しさを伝えても、最初の頃は少し拗ねれば、ごめんねと言い、
機嫌をとり、続けたいと言う努力をしていてくれたが、
今はそれすらしなくなったのだ。
終わりなんだね。
悪いのは信行だけじゃないのはわかっている。
信行は仕事でも家に帰っても気が休まらないと言っていた。
由美といるときが一番癒されると。そして由美が一番好きだと言った。
そんな言葉を全部信じた訳じゃない。
でも、そう思わせ続けてくれればよかったのにと思う。
好きと言う気持ちさえ伝えてくれれば良かったのに。
信行が前ほど由美を必要としていないのを感じた。
由美との事を煩わしいと思っているような態度が続いた。
終わりにしたいのなら、なぜはっきり言わないんだろう。
「終わりにする時にはちゃんと話して、笑って終わりに
しようね」
その約束さえ果たしたくないほど、嫌われてしまったのだろうか。
信行にのとって自分は重かったのだろうか。
何ひとつ、わがままを言わなかった。
何一つ、ねだらなかったつもりだ。
一緒にいたいと言うこと意外は。
それだって、無理を言った事はない。
いつも信行の都合に合わせていた。
何時間でも待った。
なのに・・・
メールをしても返事をくれない事が多くなった。
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