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  「アイス、買ってかなくちゃ」

  一時間弱、公園の駐車場に停めた車の中で待ち、
  そろそろ帰ろうかと思い始めた所に、助手席のドアが
  ガタッと鳴った。   アサの車の隣にシュウの車があり、
  シュウが降りて立っていた。
  気づかなかった。少しうとうとしていたのかもしれない。
  アサはロックを開けた。
  さすがに夜の公園にひとりは怖いから、待っている時は
  いつもロックをしている。

  アイス・・・と言いながら、背の高いシュウが頭を下げるように
  して助手席に乗り込んだ。

  「おかえり」と言った後、アイスと聞いて
  「あっ、じゃ、帰る?」
  と聞いた。嫌味に聞こえないように言ったつもりだったが、
  どうだったろう。

  「いや、まだ、ちょっとかかるって言ってあるから大丈夫」
  「そう・・・お疲れさま、おかえり」

  アサは倒したシートから身体を起こしてシュウに
  キスをした。

  一時間待って、家族がアイスを待ってるから帰るよと
  言われても、今のアサは怒らないでいられる気がした。
  実際シュウは平気でそう言うことを言ったりしたりする。
  何度もそんな場面があり、アサは泣いたり怒ったりしてきた。

  慣れた・・・と言うか、それを仕方の無い事と言い聞かせ
  なければ自分は壊れてしまう・・・とアサは思う。

  とにかく、アサとシュウの想いには大きな開きがあるのを
  受け止め、それでもこうやって会う時間を無くしたくないと
  言うアサの思いで続いているのだろう。

  シュウとの会話は楽しい。
  仕事の愚痴であろうと、子供の話であろうと、とにかく
  楽しい。アサが落ち込んでいても、シュウのとんちんかんな
  慰めで笑ってしまう。

  たまにはシュウのズボンの中に手を入れながら話す時もある。
  が、今日はしなかった。

  今日はなぜか日本の首相の話からアメリカの大統領の話し、
  獅子座流星群から長寿の話し、年号の話しになった。
  何の脈絡もなく、思い付いた事を口にして、茶化し合い笑う。
  「おれ、総理大臣になろうかな」 
  「きゃははっ、じゃ、私は首相の愛人かぁ〜」
  アサはこんな時間を失いたくないと思う。
  シュウが仕事を終え、家に帰る途中の数十分。その時間に
  合わせてアサが出られる日。限られたわずかな時間。



  思うように会えない苦しさと虚しさから終わりにしようかと
  アサの方から言った事が何度もある。
  最初のうちはシュウが
  「え〜〜、俺、頑張るから」(何をかはわからないけど)
  と言い、アサはシュウのそんの言葉をうれしく思った。
  そう言って欲しくて、アサはそんな話を切り出すのかも
  しれない。
  
  ついこないだ、また、そんな話をした時には、
  「アサがあんまり辛いなら、終わりにした方がいいのかな」
  と言った。
  アサも今回は本気でそう思い、覚悟はしていたのだけど、
  いざホントにシュウから言われると、駄目だった。
  「月に1回でも2回でも、シュウがエッチしたい時だけでも
  いいよ。それで続けていけるんなら、それでもいいから・・・」

  涙も鼻水も一緒になっていた。
  エッチだけの繋がりはアサの本心ではない事は、鈍いシュウにでも
  わかっている。

  そんな、アサにとっては人生の一大事の話をしている時でも
  シュウは時計を気にしていた。
  22時になろうとしていた。娘の塾のお迎えが気になるのだろう。
  アサの気持ちをわかってくれたのか、早く切り上げたかったのか、
  間違いなく後者なのだが、
  「頑張るから。今日の話は無かった事にしよう」
  シュウは言った。




  シュウが手にしている携帯が時々光る。
  家族からの
  「アイス、まだ〜?」
  のメールだなとアサは思った。シュウはチラッと携帯に
  目をやるが、いじらない。
  アサは気づかない振りをしている。

  「明日は?」
  とシュウが聞いたので
  「お休みでいいよ」
  と答えた。
  ホントは会いたいけど、夜、何時に仕事が終わるかわからない
  シュウに予定を合わせるのは毎日は無理だ。

  「じゃ、あさって。土曜日ね。少しゆっくり出来るよ。」
  「うん!わかった。ダッシュで来てね。」

  「わかった。俺、頭悪いけど走るのは早いから。」
  足が速いのはシュウの唯一の自慢かもしれない。
  「頭の回転遅いけど、足の回転、速いんだよね〜
  「でも、車じゃ関係ないし」
  「車ん中で一生懸命、足、回転するから」
  「きゃはっ、それ、白鳥のボートみたいじゃん」
  「そっ、エコだから。けっこ疲れるんだぜ〜」
  
  「じゃね」
  と言ってシュウが口を尖らす。
  アサは
  「うん。」
  と言ってキスをし、シュウが
  「気を付けて」
  と言ってキスをし、手を握る。
  次に会うまで頑張るんだよ、と言う意味らしい。
  シュウが降りようとするとだんだんと手が離れていく。
  シュウが・・・離れていく・・・・

  離れた手でバイバイしながらドアを閉める直前に
  「アイス、買ってかなくちゃ」
  とまた、言った。

  バカか!こいつは!! 浮気相手に家族思いをアピールするな!

  シュウは自分の車に乗り込み、エンジンを掛け、タバコに火を付け
  もう一度、アサの方を見て手を振り車を出した。
  タバコの煙とともにふぅ〜とため息をついてシュウは独り言を
  言った。


  「コンビニ、行かなくちゃ」 



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