学年が違うので挨拶くらいはするが特別話をすることも
  無い。
  洋子はサオリを綺麗だと思う。
  そして間違いなく剛の好みだ。

  グラウンドにいる剛はサオリが来た事に気がついた
  だろうか。
  洋子は思った。
  これから剛はサオリに近づくだろう。でも、無理だ。
  サオリは剛など眼中にない。
  誰かに聞いたことがある。見た目を気にする人だと。
     (その割には服などのセンスが悪いと思うことがある)

  ベルトの上に何百グラム単位のお肉を乗せている剛は、
  サオリから相手にされる事はない。

  “力づくで襲っちゃえば。”
  洋子は心の中でふとそんな事を思った。
  何を考えているんだろう。私ったら。
  
  私、嫌いだったんだ、サオリさんの事。

  洋子はそんな事を考える自分が嫌になり、小さく頭を
  振り、別の事を考えようと思った。
  そうそう、

  ショッピングセンターに行かなくちゃ。


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