急用が何かわかったのはさっきだった。
  ショッピングセンターの横に映画館があり、TVでも人気の
  アニメの映画を上映していていた。
  車を駐車場に止めてその横を通るとチケット売り場とその
  周辺は子供連れの人で賑わっていた。
  その中にドタキャンされた相手がいた。子供と手を繋ぎ、
  子供のもう片方の手の方には女の人がいた。

  まったく・・・ついてないな。
  サオリはその場を素早く離れた。

  朝、息子を送ったらそのまま出かけるつもりで支度を
  していた。キャンセルされたが、せっかく家の用事も
  早々と済ませ用意したのだから、出かけないのも
  つまらない。なので、ここに来た。
  そして見た。。。。最悪〜〜〜

  娘の塾の先生とふたりで食事をしたのは2回。
  食事と言ってもお酒も入り、いい気分になる。
  2度ともホテルに誘われたが、まだ、断っている。
  次はどうなるかわからないかも・・・と思っていた
  ところに見てはいけないものを見てしまったようだ。

  サオリは憂鬱な気分のままフラフラと売り場を見ている。
  “食事だけにしておいてよかった・・・” と思った。


  さて、どうしようかな・・・と周りを見回すと下着売り場が
  目に入った。
  リナの下着、買っておこうかな。
  中学生になったリナは、サオリより背が伸び、胸も大きい。
  背が高いのと足が早いのは父親の遺伝だ。
  セールと大きなポップがついているワゴンに、男物の下着が
  並んでいた。ワゴンの中のものをひととおり見てみたが、
  夫のサイズは黒いのが一枚あっただけだった。
  サオリはそれをかごに入れた。

  ブラとショーツがセットのかわいい下着がいっぱい飾られて
  いる。 リナはどのくらいだろう・・・

  同じようにセットの下着をみている人がいる。
  アサさんだ。


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