「遥希の靴下を買いに来たの、修学旅行の。」
  アサは言った。
  「私もリナの下着を見に。」
  その目的で来た訳ではないがそう言った。
  お互いに相手のかごをチラッと見た。
  アサのかごにはナイキのソックスとピンクのかわいいセットの
  下着が入っていた。

  サオリが自分のかごを見たのを感じて、
  「これは私の。こういうのってなかなかAカップのが
  なくて・・・
  見つけたから買っておこうかなと思って。
  誰に見せるわけじゃないんだけど。」
  ウフッと笑顔で言う。

  「かわいい」
  サオリは言った。
  下着もかわいかったが、照れて話すアサもかわいいと
  思った。やっぱり10も年上には見えない。

  アサはサオリの買い物カゴの中に黒いボクサーパンツが
  入っているのを見た。

  「じゃ、お先に」
  サオリに言い、会計を済ませ、アサは自分の車に向かった。
  時計を見て少し急がなくちゃと思った。
  これから仕事に行かなくてはならない。

  歩きながらアサは思った。
  ”今夜のシュウとのデートに、今買った下着を着て行こう。
  シュウは・・・新しい下着を履いてくるかな。
  サオリが今、買っているあの黒いボクサーパンツ。”


  忙しくならないと良いな、と呟き車に乗り込んだ。
  出来れば、仕事が終わったら一度家に戻ってシャワーを
  してから出かけたい。


  駐車場の車は来たときよりも随分増えていた。


さて、仕事に行かなくちゃ。  



   前項